フランスのレーシングドライバー、ジャン・レデレによって1956年に設立された自動車メーカーがアルピーヌ。当時、ルノー車をベースとしたチューニングモデルやスポーツカーを製造していた。その最初のモデルが、ルノー4CVをベースに専用FRPボディを与えた「A106」。その後ドーフィンがベースの「A108」、ルノー8がベースの「A110」と新型モデルを投入する。とりわけA110は、WRC黎明期において好成績を残し、初年度の1973年にマニュファクチャラーズタイトルを勝ち取った。しかしこの年、ルノーがアルピーヌを買収して子会社化。以降、ルノーの1ブランドとしてアルピーヌの名前が継続することになる。なお、当初パリで設立されたアルピーヌは、ルノーに買収される4年前の1969年、フランス北西部のディエップに移転している。ルノー傘下になった後もA110は継続生産されたが、その後継モデル「A310」も登場。こちらはピュアスポーツからGTへと路線を変え、その後は「V6ターボ」、「A610」と進化していく。1995年にA610が生産終了した後、アルピーヌブランドは一時的に途絶え、拠点ではルノー・スポール各車の製造を担当していた。しかし2017年、20年以上の時を経てアルピーヌブランドが復活したのだった。