1925年に設立された、アメリカンビッグ3に数えられる自動車メーカーがクライスラーである。同社は「プリムス」や「デソート」など、かつて数多くのブランドを展開しており、戦前に大きく成長を遂げた。1998年にはドイツのダイムラー・ベンツ社と合併してダイムラー・クライスラーになるが、2009年の経営破綻の影響で現在はフィアットの子会社化となっており、社名はフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)として再編された。ブランドとしてのクライスラーは、どちらかと言えば上級志向のラグジュアリーカーが多く、スポーツモデルは極めて少ない。しかしながら、個性的なスペシャルティカーは歴史上いくつか存在している。そのひとつが2シーターオープンの「プロウラー」で、当初はプリムスブランドから販売されていたが、ブランド廃止によりクライスラーへと移行したモデルだ。また、ダイムラー・クライスラー時代には、メルセデス・ベンツ SLKのシャシーを流用したスペシャルティカー「クロスファイア」も登場している。そのほか、クライスラー系ブランドには高性能バージョン「SRT」が存在しており、ラージセダンの300には「SRT8」が、前述のクロスファイアには高性能版「SRT6」が設定されている。