ドイツのインゴルシュタットに拠を構えるアウディの創業は1909年のこと。同社の創業者であるアウグスト・ホルヒは、1901年にホルヒ社を設立したものの、わずか8年で会社を去り独立する。その後、新たに立ち上げられた新生ホルヒは、彼の古巣であるホルヒ社の抗議を受けて「アウディ」に社名を変える。これが、現在まで続くアウディのルーツとなった。1932年にはアウディのほか、ホルヒ、DKW、ヴァンダラーの4社が合同してアウトウニオンを設立。今でも使われるフォーリングスのエンブレムはこの時に誕生した。1958年、同社はダイムラー・ベンツに買収されるが、1964年にはVWが親会社となり、戦前に凍結されていたアウディブランドも復活することになった。アウディは富裕層向けのブランドゆえ、70年代末まではスポーツモデルが皆無だった。しかし1980年に登場した「クワトロ」は、元祖スポーツ4WDとしてWRCにも参戦。また80年代からモータースポーツ活動を担ってきたクワトロGmbH(現アウディスポーツ社)から高性能バージョン「RS」シリーズがリリースされ、同社のスポーツモデルの核になる。2008年には本格的なミッドシップスポーツ「R8」も登場し、同社のスポーツイメージをより一層高めている。