1898年、パリに設立されたルノー。戦前は自動車のほかにも戦車など軍用車両も手がけていたが、第二次世界大戦でフランスがドイツに降伏すると軍の圧政下に置かれ、終戦の年には国営企業となる。戦後は「4CV」など小型車が大ヒットし、ルノーの再建に大きく貢献した。その後、「4(キャトル)」、「5(サンク)」などを生み出し、1990年にはボルボと資本提携することで戦後初めて民営化されることになった。一方、ルノーは1973年に名門ブランド「アルピーヌ」を買収。「A310」やその後継の「V6」をルノーブランドとして発売した。また、ルノー本社にはモータースポーツ部門「ルノー・スポール」を置き、ル・マン24時間レースやWRCの参戦にも積極的だった。その象徴的存在が、WRCのグループ4参戦を目指して開発された「5ターボ」。「5」をミッドシップ化した特殊なモデルだったが、後にクリオでも同じ手法を使い、高性能車に仕立てている。2000年には「ルノー・スポール」の名が与えられた初の市販車「クリオ R.S.」が登場。以降、メガーヌやトゥインゴでも「R.S.」が展開され、ルノーのスポーツモデルの顔となった。とくに「メガーヌR.S.」はニュルブルクリンク北コースでFF車最速の称号を獲得している。