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 40th Tokyo Motor Show

東京モーターショー

開催期間:2007年10月24日〜11月11日

◆トヨタ クラウン ハイブリッド コンセプト(コンセプトカー)

 次期クラウンのコンセプトであるこのモデルは、現行のスタイリングそのまま踏襲した、キープコンセプトのデザインを採用。ただし、2段変速式リダクション付きのハイブリッドシステムを搭載し動力性能や環境性能を高めているなど、メカニズム面での進化は大きい。ボディサイズは、全長が30mm、全幅が15mm拡大されているほかは現行と同サイズ。インテリアでは、TFT液晶のディスプレイを用いた「ファイングラフィックメーター」を採用するほか、エンジン・ステアリング・ブレーキを統合制御するVDIM、10個のエアバッグを採用することで安全性を大きく高めている。

◆レクサス LF-Xh(コンセプトカー)

 次期ハリアーのコンセプトといえるLF-Xh。これは、日本ではトヨタブランドで売られていたハリアーがレクサスブランドへ取り扱いが変更されることを示唆している。デザインはレクサスブランドに共通の「L-finesse」を具現化、力強くスポーティなスタイリングとなっている。パワーユニットは、V型6気筒に高出力モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載することで、動力性能と環境性能を高い次元で両立。ボディサイズは全長4800mm、全幅1895mm、全高1650mmと、ロー&ワイドなプロポーションとなり、欧州のプレミアムSUVに匹敵する存在感をもつ。

◆日産 GT-R(市販化)

 今回のモーターショー最大の目玉でもある新型GT-R。従来までは、あくまでスカイラインをベースとしたハイパフォーマンスカーだったGT-Rは、今回「スカイライン」の名が外され、独自のスーパースポーツカーへと生まれ変わった。よって、そのスタイリングもスカイラインとの関連性はない。搭載されるエンジンは3.8L V型8気筒DOHCツインターボで、2ペダル式MTのGR6型デュアルクラッチトランスミッションが組み合わされる。その最高出力は480ps、最大トルクは588Nm。駆動方式は独立型トランスアクスル4WDで、高い操縦安定性も実現している。

◆日産 インティマ(コンセプトカー)

 日産が提唱する「モダンリビングコンセプト」をさらに発展させたサルーンのコンセプトカーがインティマである。その最大の特色は助手席が80度外側に開く観音式ドアで、乗降性を大きく高めている。インテリアには、ウェーブを巧みに取り入れたセンターコンソール、インストルメントパネル、ドアトリムのほか、天井などにしつらえた優美な間接照明のイルミネーションを採用するなど「アート」を積極的に盛り込み、くつろぎ感のある室内空間を演出。ボディサイズはアッパーミドル級で、エッジの効いたスタイリッシュなデザインとされている。

■ホンダ インスパイア(市販化)

 ミドルクラスセダンであるインスパイアがフルモデルチェンジを受ける。先代同様その正体は北米仕様のアコード。搭載されるエンジンは3.5L V型6気筒で、排気量を拡大して余裕のある動力性能を確保。とくに、先代から採用されていた可変シリンダーシステムが大きく進化し、従来までの6-3気筒の切替が、状況に合わせて6-4-3気筒の切替となったことが大きなトピック。これによってパワーと低燃費の両立を果たしている。また可変ステアリングギアレシオ(VGR)を採用するなど、大人のコンフォートセダンとしての資質を高めている。

■ホンダ CR-Z(コンセプトカー)

 ホンダのライトウェイトスポーツであったCR-Xの復活を思わせるコンセプトモデルがCR-Zである。エクステリアは「FUTURISTIC & DYNAMIC」をコンセプトに、リヤに向かってキックアップするボディラインや2代目を彷彿とさせるリヤのデザイン処理など、軽快でスポーティなスタイリングに仕立てられている。またヘッドライトにはレクサス「LS600h」ですでに実用化されたLEDを採用するのも特徴。パワーユニットには、クリーン性能とトルクフルな走りを両立するハイブリッドシステムを採用する。いろいろな意味で、インサイトの後継ともいえるモデルといえるだろう。

■マツダ アテンザ(市販化)

 9月のフランクフルトショーでは欧州仕様の新型マツダ6がワールドプレミアされたが、東京モーターショーではその日本仕様の新型アテンザが発表された。エクステリアには、フロント&リヤ大型エアロバンパー、スポーティグリル、サイドアンダースポイラーを装着し、3代目デミオ同様に躍動感のあるデザインとされている。ボディタイプは、セダン、スポーツ(5ドアハッチバック)、スポーツワゴンの3タイプ。エンジンは先代の2.3Lから2.5Lへと増強し、実用トルク、環境性能ともに高めている。装備面では、国内初のリアビークルモニタリングシステムなどを採用する。

■マツダ 大気(コンセプトカー)

 「流」、「流雅」、「葉風」に続く「Nagare」デザインの4作目となるコンセプトカーが「大気」である。このモデルでは次世代スポーツカーの方向性を指し示すもので、リヤフェンダーのデザイン処理が極めて特徴的。このスタイルは地球を包む大気をイメージさせる。インテリアでは、「エアチューブ」をコンセプトに掲げ、ダッシュボード、シート、ドアトリムにかけて風の動きを感じさせるデザインとなっている。パッケージは2シーターのFR方式で、エンジンは次世代レネシス(ロータリーエンジン16X)を搭載。次期RX-7の登場を予感させる大気には大きな期待が寄せられる。

■三菱 アイ ミーブ スポーツ(コンセプトカー)

 三菱が開発した電気自動車「アイ ミーブ」をベースに、より走りのイメージを高めたコンセプトモデルがアイ ミーブ スポーツである。全長が僅か3450mmのコンパクトなクーペボディにはアルミ押し出し材とアルミダイキャスト材を組み合わせた軽量で高剛性のアルミスペースフレーム構造を採用。そして後輪にシングルモーター、前2輪には三菱特有のインホイールモーター技術を組み込むことで車両運動統合制御システムS-AWCを構成し、走行性能と環境性能を大きく高めている。最高速度は180km/hを誇り、航続距離は200kmを実現している。

■三菱 コンセプトZT(コンセプトカー)

 三菱の上級セダンのコンセプトモデルである「コンセプトZT」。全長4950mm、全幅1820mm、全高1440mmのボディサイズはEセグメント級。エクステリアのデザインは「和」の感性をテーマとし、低重心で伸びやかなフォルムとされている。インテリアでは「おもてなし」の空間を追求。ボディ構造はアルミスペースフレームを採用することで、軽量化と高剛性化を実現。エンジンは2.2L 直列4気筒DOHCのディーゼルターボを搭載し、これにランサーエボリューションXですでに採用されている「ツインクラッチSST」トランスミッションを組み合わせている。

■スバル インプレッサ WRX STI(市販化)

 日産「GT-R」に続き、もう一つの大きな目玉となったのがインプレッサのスポーツモデル「WRX STI」である。エクステリアは専用デザインの前後バンパー、ワイドフェンダーなどで武装され、力強いデザインとされている。ホイールベースやトレッドも標準モデルから拡大され、ハンドリングとスタビリティを向上。エンジンは2.0L 水平対向4気筒(EJ20)を搭載し、これに自社製の6速MTが組み合わされる。最高出力は先にデビューした三菱「ランサーエボリューションX」を超える308psを発生。そして今回マルチモードDCCD、VDCを採用し、高いスタビリティを発揮する。

■スズキ パレット(市販化)

 軽自動車に力を入れているダイハツには高い車高とユーティリティを誇る「タント」が存在し、発売以来多大な人気を獲得しているが、最大のライバルでもあるスズキもついに追い討ちをかける。今回発表されたパレットは、スクウェアなボディに両側スライドドア(リヤ)を採用し、ユーティリティと室内空間の広さに特化したファミリー向けモデル。2400mmのロングホイールベースと低床フラットフロアを採用した革新のパッケージングにより、タントに劣らない広大な空間を手に入れた。エンジンは658cc直列3気筒DOHCが搭載され、これに4速ATが組み合わされる。

■スズキ コンセプト キザシ2(コンセプトカー)

 フランクフルトで公開されたDセグメントのコンセプトモデル、キザシをベースに、クロスオーバーのスポーツワゴンに仕立てられたのがキザシ2。デザインテーマに「品格」と「躍動感」2つのキーワードを掲げ、スポーティでスタイリッシュなフォルムを実現。エンジンは同社の最大排気量となる3.6L V型6気筒を搭載する。これに6速ATが組み合わされ、力強く滑らかな加速フィールを実現するという。さらにエンジンラインナップにはハイブリッド仕様の設定も視野に入れて、環境にも配慮している。キザシとともに、今後のDセグメントの方向性を決定づける重要なモデルといえる。

■ダイハツ タント(市販化)

 ハイトな車高にスクウェアなボディ形状を採用することで、軽とは思えない広大な室内空間を実現したタントがフルモデルチェンジを行い、2代目となった。全長と全幅は先代と同サイズであるが、全高は先代から25mm高められた1750mm。これによりさらなる室内空間の拡大を実現している。エクステリアのデザインは先代からのキープコンセプトであるが、今回はセンターピラーレスとスライドドアを組み合わせた「ミラクルオープンドア」の採用が大きなトピック。また標準モデルのほか、存在感のある「カスタム」も同時に設定する。

■ダイハツ OFC-1(コンセプトカー)

 「オープン・フューチャー・コンセプト-1」の略であるOFC-1は、コンパクトなオープンスポーツカーのコンセプトモデル。つまり、次期型コペンの登場を予想させるモデルである。ボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1290mmと軽自動車の枠に収められ、エンジンは直列3気筒DOHCターボを搭載する。組み合わされるトランスミッションは、マニュアルモード付きのCVT。エクステリアは丸みのある愛らしいコペンと比べると、エッジの効いたスポーティなデザインを採用。電動開閉式となるルーフには、クローズドでも明るいグラスルーフを装備する。

■ダイハツ HSC(コンセプトカー)

 ダイハツの新しいベーシックな軽自動車のビジョンを示すHSC。エクステリアは流線型のモノフォルムデザインを採用。とくにセンターピラーを廃し、ドアが観音開きとなるのが大きな特徴といえる。ボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1550mmと、立体駐車場にも入庫可能なサイズとなっている。エンジンは、フリクションの低減、燃焼効率の向上、圧縮比の向上など各部ブラッシュアップされ、さらにアイドリングストップ機構を採用することで33.0km/Lという低燃費を実現。これに組み合わされるのは、メカニカルロスを抑えたCVTとなる。

■フォルクスワーゲン スペースup!(コンセプトカー)

 フランクフルトショーで公開されたup!コンセプトシリーズの第2弾が発表された。その名も「スペースup!」。先に発表されたモデルから全長が230mm拡大されて3680mmとなり、さらにホイールベースも2560mmへと延長されているため、室内空間はさらに余裕のあるものとなった。リヤドアが観音開きとなるのもこのモデルの特徴で、荷室は最大1005Lの容量を確保するなど、コンパクトカーとしての実用性は極めて高い。エンジンは初代ビートルと同じくリヤに搭載され、ガソリン、ディーゼル、そして電気モーターの3タイプが用意される。

■アウディ メトロプロジェクト クワトロ(コンセプトカー)

 Bセグメントに属するアウディのコンセプトモデルがメトロプロジェクト クワトロ。エクステリアは、LEDを用いた釣りあがった形状のヘッドライトなど、昨今のアウディ車と共通のデザインを採用。ボディサイズは、全長3910mm、全幅1750mm、全高1400mm。心臓部には1.4L 直列4気筒ターボエンジン(150ps)が横置搭載されるほか、リヤアクスル上にはモーター(41ps)も搭載され、駆動方式は4WDとなる。トランスミッションはSトロニックが組み合わされる。また100kmをわずか4.9Lのガソリンで走行可能な燃費性能も持ち合わせている。

■BMW M3 セダン(市販化)

 3シリーズをベースにM社が手がけたスペシャルモデルがM3。すでにクーペベースのM3が登場しているが、今回発表されたのはセダンベース。先々代(E36型)にも存在した4ドア・M3の新型は、基本的にクーペと同じメカニズムを持ち、最高出力420psを発生する4.0L V型8気筒エンジンを搭載する。エクステリアは、フロントがクーペに近い造型となっているのが標準の3シリーズとの違い。しかしM3クーペの大きな特徴でもあったカーボン製ルーフがセダンには採用されていない。それでも0-100km/h加速は4.9秒を誇るなど、その性能は十分。

■BMW コンセプト 1シリーズ tii(コンセプトカー)

 デビューしたばかりの1シリーズ クーペをベースに、モータースポーツを意識した仕様のデザインスタディがこのモデル。エクステリアは専用にデザインされたフロントエアダム、サイドシル、リアエアダムを装着するほか、ボンネット、ドアミラーカバーなどにカーボンを惜しみなく採用し、徹底的に軽量化を図っている。インテリアでは、スポーツバケットシート、アルカンターラ表皮のダッシュボード&ステアリング&シフトノブ、ホワイトのレブカウンターを採用するなど、いずれもモータースポーツのレギュレーションを意識したデザインがなされている。

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