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S2000
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NSX
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解説
トヨタ「プリウス」への対抗車として、1999年にホンダが送り出したハイブリッドカーがインサイトである。初代(ZE1)は、コンパクトな4ドアセダンだったプリウスに対し、2ドア・2シータークーペという実用性を犠牲にしたスタイルで登場。その理由とは……“燃費性能でプリウスを凌駕すること”にほかならない。事実10・15モード燃費では、プリウスの28.0km/hに対し、インサイトは35.0km/Lという驚異的な数値を実現していた。しかし、燃費を追求しすぎるがために犠牲にされた日常での実用性ゆえ、販売面では残念ながら失敗に終わっている。
そんなインサイトのデビューからおよそ10年後となる2009年、そのネーミングが復活を遂げ、日・米・欧の各市場に投入された。2008年パリサロンでコンセプトモデルが公開された後、翌年デトロイトショーで市販モデルが正式発表された2代目インサイト(ZE2)は、初代の2ドアクーペボディから一転、5ドアハッチバックボディをまとっての再デビューとなった。開発コンセプトは「新時代コンパクトスタンダード」。折りしも世界的大不況の真っ只中、189万円からという非常にリーズナブルなプライスタグが掲げられたのも大きな話題となった。
エクステリアは、そのワンモーションフォルムを見ると真っ先に思い浮かべるのが2代目プリウスの姿。しかしディテールにまで注目してみると、まずフロントセクションはシャープな横長のヘッドライト、グリルやエアインテーク周りのデザイン処理は昨今のホンダ・フェイスの以外の何者でもなく、とりわけリース販売される燃料電池車FCXクラリティを強く意識したアピアランスとされている。一方リヤ周りは、初代を髣髴とさせるリヤコンビランプの形状など、躍動感のあるスタイリングを持つ。当然ながら空力もしっかりと考慮されており、Cd値は0.28という世界トップクラスの数値を実現。ボディサイズは、2代目プリウスが3ナンバーサイズ(全幅1725mm)であるのに対し、全幅1695mmと5ナンバーサイズに抑えられているのも注目のポイントだ。
インテリアは、ホンダらしいブラック基調のスポーティな仕立て。ハイブリッドカーといえども、ドライバーズカーであることを強く主張している。またシビックなどと同様に、使用頻度の高い速度計を上に、頻度の低い回転計や燃料計などを下に分割配置した「マルチプレックスメーター」を採用するなど、視認性にすぐれたインターフェースを実現。シートカラーは「ブルー」と「ウォームグレー」の2パターンから選べる。
装備面では、ECONモード、コーチング機能、ティーチング機能の3つの機能を備えた「エコアシスト(エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム)」と呼ばれる低燃費運転を支援するシステムが搭載されたことが大きなトピック。ECONモードは、スイッチをオンにすることでエンジンの出力制御、アイドリングストップ領域の拡大、減速時の回生充電量の増加、エアコンの省エネ化を行い、燃費を大きく向上させる機能。コーチング機能は、ドライバーの運転操作からエコドライブ度を診断し、速度計の背景色をリアルタイムで変化(青〜緑)させて知らせてくれるというもの。ティーチング機能は、マルチインフォメーション・ディスプレイ画面でエコドライブ度をリーフ(葉)の数で採点すると同時に、エンジン停止後にその採点結果、さらには生涯成績を表示することが可能。ハイブリッドシステムだけでなく、ドライバーにエコドライブへの関心を喚起させることで、実際の使用環境での実燃費の向上も狙ったのは新しい試みと言える。
搭載されるパワートレインは、ホンダ独自のハイブリッドシステムであるIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)。その内容は、1.3L 直列4気筒エンジン(LDA)に、新設計の薄型DCブラシレスモーターを組み合わせたもの。エンジンを主動力、モーターを補助動力とするが、エンジンに全気筒を休止する可変シリンダーシステム(VCM)を新たに採用することで、低速走行時はモーターのみでの走行が可能となった。そしてこれらに組み合わされるのは、モーターの駆動と電力エネルギーの回生を制御するパワーコントロールユニット(PCU)と高出力ニッケル水素バッテリーである。これらのシステムは、8代目シビックに設定されるハイブリッドと比べると、モーターでは約22%の薄型化と約15%の軽量化、バッテリーでは約30%の耐久性向上、さらに約31%の小型化と約35%の軽量化を実現するなど、大幅な性能アップが図られているのも見逃せない。これに高効率なCVT(ホンダマルチマチックS)を組み合わせることで、JC08モードで26.0km/L、10・15モードで30.0km/Lというすぐれた燃費性能を実現。また、最上級グレード「LS」では、マニュアル感覚でシフト操作が可能なパドルシフトが設定され、ドライビングの愉しみも与えてくれる。
主要諸元 " 2009y INSIGHT L "
寸法・重量 | エンジン・トランスミッション | ||
車格 | Cセグメント | 型式 | LDA-MF6 |
乗車定員 | 5名 | 種類 | 1.3L 直4 SOHC 8V + モーター |
全長×全幅×全高 | 4390×1695×1425 mm | 気筒内径×行程 | 73.0×80.0 mm |
ホイールベース | 2550 mm | 総排気量 | 1339 cc |
トレッド前/後 | 1490/1475 mm | 圧縮比 | 10.8 |
最低地上高 | 145 mm | 最高出力 | エンジン : 65kW[88ps]/5800rpm モーター : 10kW[14ps]/1500rpm |
重量 | 1190 kg | 最大トルク | エンジン : 121Nm[12.3kgm]/4500rpm モーター : 78Nm[8.0kgm]/1000rpm |
ステアリング形式 | ラック&ピニオン式 電動パワーステアリング | 燃料供給装置 | 電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI) |
サスペンション前 | マクファーソンストラット コイルスプリング | 燃料タンク容量 | 40 L(無鉛レギュラーガソリン) ニッケル水素電池 |
サスペンション後 | トーションビーム コイルスプリング | トランスミッション | CVT(ホンダマルチマチックS) |
ブレーキ前 | ディスク | 駆動方式 | FF |
ブレーキ後 | リーディングトレーリング | その他 | |
タイヤ前 | 175/65R15 84S | 生産拠点(国内) | 三重県 鈴鹿製作所 |
タイヤ後 | 175/65R15 84S | 価格帯(登場時) | 189万円〜221万円 |
走行安定装置 | VSA(O) |