解説
2010年に設立された新生マクラーレンことマクラーレン・オートモーティブ社は、90年代に登場した最強のロードゴーイングスポーツ「F1」のスピリットを受け継いだ新型車「MP4-12C」を発表した。2014年にはその後継となる「650S」を登場させ、フェラーリ、ランボルギーニなどの強豪ブランドがひしめくスーパースポーツカー市場で確固たる地位を築き上げた。そして2017年のジュネーブショーで発表されたのが、650Sの後継モデル「720S」である。マクラーレンの「スーパーシリーズ」に分類される720Sは、650Sの完全なるフルモデルチェンジ版であり、シャシー、デザイン、パワーユニットのすべてがリニューアルされている。とくにカーボンファイバー製シャシーは新設計の「モノケージII」が採用され、650Sと比べて大幅な軽量化を実現したのが大きなトピックと言えよう。
エクステリアは、ヘッドライト形状がエアインテーク機能を併せ持った、大きなサイズのものへと変更されたのが目を引く。またボディサイドのラジエーターインテークが廃止され、代わりにドアに装備された「ダブルスキン」と呼ばれるエアロダイナミクス形状も見どころ。これにより、どのモデルにも似ていない斬新なスタイルを構築している。エンジンは従来の3.8L V8ツインターボに代えて、新世代4.0L V8ツインターボ「M840T」を搭載。旧エンジンと比べて41%ものパーツが新設計となり、最高出力は720ps、最大トルクは78.5kgに達する。そして0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は時速341kmと、クラストップレベルの動力性能を誇る。また、新世代「プロアクティブ・シャシー・コントロール」が与えられ、各種センサーの情報により最適なサスペンション減衰力に調整してくれる。
720Sはカーボン製シャシーの先駆けとも言えるマクラーレンの主力モデルゆえ、その性能はライバルを圧倒するもの。今後は先代の「675LT」のような、さらなるハイパフォーマンス仕様の登場にも期待が寄せられている。
主要諸元 " 2017y MCLAREN 720S "参照:プレスキット
寸法・重量 | エンジン・トランスミッション | ||
車格 | スーパースポーツ | 型式 | M840T |
乗車定員 | 2名 | 種類 | 4.0L V8 DOHC 32Vツインターボ |
全長×全幅×全高 | 4543×2059×1196 mm | 気筒内径×行程 | --×-- mm |
ホイールベース | 2670 mm | 総排気量 | 3994 cc |
トレッド前/後 | --/-- mm | 圧縮比 | -- |
最低地上高 | -- mm | 最高出力 | 537kW[720ps]/7500rpm |
重量 | 1283 kg | 最大トルク | 770Nm[78.5kgm]/5500rpm |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン | 燃料タンク容量 | -- L |
サスペンション後 | ダブルウィッシュボーン | トランスミッション | 7AT(SSG) |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク | 駆動方式 | MR |
ブレーキ後 | ベンチレーテッドディスク | 動力性能 | |
タイヤ前 | 245/35R19 93Y | 最高速度 | 341 km/h |
タイヤ後 | 305/30R20 103Y | 0-100km/h加速 | 2.9秒 |
◆公式PV