アメリカのビッグ3のひとつ、フォード・モーター・カンパニーは、ヘンリー・フォードによって1903年に創業された。モデルTと呼ばれる大衆向け自動車を製造したのが有名。また海外への進出にも積極的で、1909年には英国フォード、1925年にはドイツフォードを設立。これらは1967年に欧州フォードに統合されるが、本国の米国フォードとは独立した車種体系を持ち、現地のニーズに合わせたクルマ造りが行われた。そんなフォードのスポーツモデルと言えば、古くは「サンダーバード」が有名だ。コルベットの対抗馬として登場したサンダーバードだが、時代に合わせてラグジュアリークーペとして進化していった。また、60年代には世界初のスペシャルティカーとしてマスタングが登場し、現在まで多くのユーザーに愛され続けている。一方欧州フォードでは、英国に拠を構える「フォードチームRS」が、WRCをはじめとするモータースポーツを積極的に行なった。そこから誕生したエスコートRSは、欧州を代表するスポーツモデルとして知られる。その系譜は今ではフォーカスRSへと受け継がれている。また、2005年にはミッドシップエンジンの高性能スポーツカー「GT」が登場するなど、数々の魅力的なクルマを送り出している。