◆レクサス

Dセグメント

IS
IS

HS
HS

Eセグメント

GS
GS

Fセグメント

LS
LS

SUV

RX
RX

グランツーリスモ

SC
SC

トップ > パッセンジャーカーアーカイブ > レクサス > ISシリーズ(1st/E20系)

IS   [2005y-]

ISシリーズ(1st/E20系)

IS前 IS後
IS横 IS内装

解説

 トヨタの高級車ブランドであるレクサスは、1989年にトヨタが送り出したセルシオ登場と同時に、北米でブランド展開されたのがその始まりである。以降、欧州やアジアでも順次ブランドが展開され、LS(セルシオ)を頂点に、GS(アリスト)、ES(ウィンダム)、IS(アルテッツァ)、RX(ハリアー)など、徐々に車種バリエーションを拡大していった。

 そんなレクサスブランドは、2005年8月、ようやく日本国内にも導入された。「高級の本質の追求」をブランド理念に掲げ、開発・生産・販売などすべての面でトヨタブランドから独立した組織として展開されたのだった。とくに製品開発では、「L-finesse(先鋭-精妙の美)」をデザインフィロソフィに掲げ、およそ500項目にもおよぶ独自の商品化基準(レクサスMUSTs)に沿って開発が行われた。当初のラインアップは、アリストの後継車にあたるGSシリーズ、ソアラのマイナーチェンジ版であるSCの2車種のみ。しかし、それらから1カ月遅れた9月、ミドルクラス・セダン、ISシリーズがそのラインアップに加わった。

 ISシリーズは、「感動と快感の走り」をテーマに、ドライビングを愉しむための走りを追求したスポーティセダンである。「IS」とは、「Intelligent Sports Sedan」の略。車格的にはプレミアムDセグメントに属し、メルセデス・ベンツ Cクラス、BMW 3シリーズ、アウディ A4などがライバルとなる。

 エクステリアは、「L-finesse」なるデザインフィロソフィーは共通ながらも、シャープな形状のヘッドランプ、リヤコンビランプなどが採用され、レクサスのなかでも非常にスポーティなデザインがなされているのが大きな特徴。インテリアでは、日本の美意識を織り込み、海外のプレミアムブランドにひけをとらない高い質感を誇る。

 エンジンは、12代目クラウンで初採用された新型V型6気筒DOHC(GR型)を搭載。排気量は3.5L(2GR-FSE)と2.5L(4GR-FSE)の2機種が設定される。このエンジンは、筒内直接噴射とポート燃料噴射を組み合わせ、高い動力性能と環境性能を両立しているのが特徴である。とくに3.5L車では、最高出力が318ps、最大トルクが38.7kgmと、クラウンよりもやや高いスペックとされた。トランスミッションは、全車シ−ケンシャルシフトマチック付きの6速ATを採用。これは、ステアリングに配されたパドルでシフト操作を行うことも可能である。

 サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン、リヤがマルチリンクを採用。ブレーキは、3.5L車が前後ともにベンチレーティドディスク、2.5L車がフロントのみベンチレーティドディスクとなる。また、3.5L車では「VDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)」と呼ばれるスタビリティコントロールが標準装備されるのもトピック。これは、ABS、トラクションコントロール(TRC)、横滑り防止機能(VSC)に加え、さらにステアリング制御などをひとつのシステムとして統合制御することで、高い予防安全性と運動性能を両立させるシステムである。また、エアバッグをふたつの袋形状とすることで中央部にくぼみを設けたツインチャンバー・エアバッグを世界で初採用するなど、安全装備も抜かりはない。

 バリエーションは、大きく分けて3.5L車の「IS350」、2.5L車の「IS250」の2タイプが設定される。それぞれ標準仕様のほか、スポーツ仕様の「Version S」、豪華仕様の「Version L」の3仕様が選択可能。また、「IS250」には4WDモデルも用意。「Version S」では、ローダウンスプリングが奢られた専用チューニングサスペンション、18インチアルミホイール、スポーツシートが採用され、よりスポーティな走りを実現。「Version L」では、高価なセミアニリンの本革シートなどが採用される。2006年11月には、これらに加えてヌバック調ファブリック&本革シートを採用した「Version I」が設定された。その後2007年10月には、BMW「M3」対抗モデルともいえるハイパフォーマンスモデル「F」を追加。LS600hの5.0L V型8気筒を心臓部に押し込み、423psを発生させている。

 デビューから3年が経過した2008年9月にはマイナーチェンジが行われ、各部がリファインされた。この改良では、フロントグリル、フロント&リヤバンパー、リヤコンビランプ、アルミホイールのデザイン変更に加え、LEDのサイドターンランプ付きドアミラーの採用など、エクステリアを一新。ただし従来型のイメージを損なわないよう、そのデザイン変更は最小限に抑えられている。インテリアでは、センタークラスターの意匠変更、内装色の組み合わせパターンの拡大、装備の充実などが行われ、プレミアムカーとしての質感がより高められた。

 さらに2008年パリサロンでは、コンバーチブル「IS250C」がワールドプレミアされ、日本には翌年5月に導入された。ルーフは、BMW 3シリーズカブリオレと同じく電動開閉式のメタルトップを採用。クローズ時はクーペとして、オープン時はコンバーチブルとして楽しめる。ルーフ開閉に要する時間は約20秒。室内は大人4人が快適に過ごせる空間はもちろんのこと、オープン時でも9インチゴルフバッグ1個が収納可能なラゲッジ容量が確保され、オープンカーでありながらも十分な実用性を持っている。これは、リヤシートまわりの空間が犠牲にされたSC430とは大きく異なっている点だ。エンジンは、シリーズの最小排気量である2.5L V型6気筒が与えられた。

主要諸元 " 2005  IS350 Version S"

寸法・重量エンジン・トランスミッション
車格Dセグメント型式2GR-FSE
乗車定員5名種類3.5L V6 DOHC 24V
全長×全幅×全高4575×1795×1435 mm気筒内径×行程94.0×83.0 mm
ホイールベース2730 mm総排気量3456 cc
トレッド前/後1535/1525 mm圧縮比11.8
最低地上高135 mm最高出力234kW[318ps]/6400rpm
重量1610 kg最大トルク380Nm[38.7kgm]/4800rpm
ステアリング形式ラック&ピニオン式
電動パワーステアリング
燃料供給装置筒内直接+ポート燃料噴射装置
(D-4S)
サスペンション前ダブルウィッシュボーン
コイルスプリング
燃料タンク容量65 L
無鉛プレミアムガソリン
サスペンション後マルチリンク
コイルスプリング
トランスミッション6AT
ブレーキ前ベンチレーティドディスク
(334mm)
駆動方式FR
ブレーキ後ベンチレーティドディスク
(310mm)
その他
タイヤ前225/40R18 88Y生産拠点愛知県 田原工場
福岡県 宮田工場
タイヤ後255/40R18 95Y価格帯(登場時)390万円 〜 525万円
走行安定装置ABS/TRC/VSC/VDIM

関連リンク