LC
解説
レクサスブランドが日本に導入された2005年、ミドルクラスのセダンとして登場した「IS」。それをベースに高性能化を図り、スポーツカーとしての性能を持たせたのがIS Fである。「F」は、F1活動の本拠地である富士スピードウェイの頭文字を意味しており、レクサスIS FはメルセデスAMG、BMW M、アウディ RSと同レベルにある高性能モデルの第1弾となった。外観には専用デザインのバンパーやフェンダー、エンジンフードが採用され、ベース車よりもボリューム感のある佇まいが特徴的。室内には、サーキット走行にも耐えうる4座バケットシート、300km/hまで刻まれたスピードメーターを採用しながら、白と黒を基調とした高級セダンらしいコーディネートがなされている。
エンジンは、新開発5.0L V型8気筒「2UR-GSE」を搭載。これはLS600hに搭載されるV8をベースに、ヤマハと共同開発することで高性能スポーツにふさわしい内容に仕上げたユニットだ。直噴+ポート噴射「D-4S」や電動連続可変バルブタイミングを採用し、最高出力は423psにも達している。ちなみにこれは、当時のBMW M3を凌ぐ数値。トランスミッションは、「8-Speed Sport Direct Shift」を採用。基本的には通常のATであるが、2速から8速ではエンジンとミッションを直結させることでダイレクトなレスポンスを実現している。なお変速操作はステアリングに備わる専用パドルシフトで行う。サス、スタビライザーも専用品で、ハードなスポーツ走行にもしっかり応えてくれる。
また、年々進化を続けたこともIS Fの大きな美点。2009年にはトルセンLSDを標準装備。2010年にはスプリング、ダンパー、リヤサスキャンバー角などが見直されたほか、GPSによる位置確認により速度リミッターが解除される「サーキットモード」が採用された。4ドアセダンというボディ形状ながらも中身は完全なるスポーツカーだったが、次期型のISには「F」が用意されず、代わりにクーペの「RC F」にその座を譲り、2014年に生産が終了した。
主要諸元 " 2007y LEXUS IS F "
寸法・重量 | エンジン・トランスミッション | ||
車格 | Dセグメントスポーツ | 型式 | 2UR-GSE |
乗車定員 | 4名 | 種類 | 5.0L V8 DOHC 32V |
全長×全幅×全高 | 4660×1815×1415 mm | 気筒内径×行程 | 94.0×89.5 mm |
ホイールベース | 2730 mm | 総排気量 | 4968 cc |
トレッド前/後 | 1560/1515 mm | 圧縮比 | 11.8 |
最低地上高 | 135 mm | 最高出力 | 311kW[423ps]/6600rpm |
重量 | 1690 kg | 最大トルク | 505Nm[51.5kgm]/5200rpm |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン | 燃料タンク容量 | 64 L |
サスペンション後 | マルチリンク | トランスミッション | 8AT |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク | 駆動方式 | FR |
ブレーキ後 | ベンチレーテッドディスク | 動力性能 | |
タイヤ前 | 225/40R19 | 最高速度 | -- km/h |
タイヤ後 | 255/35R19 | 0-100km/h加速 | --秒 |