LC
解説
「トヨタにもスーパーカーを!」。そんなそんな声に応えるかのように誕生したのが、レクサスのスーパースポーツ「LFA」である。それが初めて形になったのが、2005年デトロイトショーに登場したコンセプトカー「LF-A」。2007年には大幅にリニューアルされたプロトタイプが登場し、2009年10月の東京モーターショーで生産型が世界初公開された。その姿は、誰もがあっと驚く個性的デザインをまとっており、国産初のスーパースポーツとしてのインパクトは十分なものだった。しかし、驚くべきは外観だけではない。その中身もライバルを上まわる内容で、車体骨格にCFRP材を用いていることが最大の特徴となっている。レーシングカーにも用いられるこのカーボン構造は、コストは高いが同形状のアルミボディと比べて100kg以上軽くできるほか、高い剛性を得られるメリットがある。
エンジンは、専用開発のヤマハ製V型10気筒「1LR-GUE」を搭載。チタン製コンロッドやアルミ鍛造ピストンを用いることでレッドゾーンは9000回転に達し、最高出力は560psを発揮する。気筒ごとに独立した電制スロットルを採用するのも特徴で、優れたアクセルレスポンスを実現。また、6速シーケンシャルとデフを一体化したトランスアクスル方式により、前後重量配分は48:52と理想的なバランスとなったことも、特筆すべき点だ。さらにブレーキには軽量なカーボンセラミックマテリアル(CCM)を奢るなど、コストよりも性能を優先した車両開発が行われている。
このように中身はレーシングカー顔負けのスパルタンな内容だが、室内はそれなりに快適な空間に仕立てられているほか、切り替え式の排気マフラーを採用をすることで、室内に届くエキゾーストサウンドにもこだわっている。また、2012年にはサーキット走行に特化した「ニュルブルクリンクパッケージ」も登場。ニュル24時間耐久レースにも参戦して優秀な成績を残し、2012年12月、当初の予定どおり500台目の最後のLFAが造られ、生産が終了した。
主要諸元 " 2010y LEXUS LFA "
寸法・重量 | エンジン・トランスミッション | ||
車格 | スーパースポーツ | 型式 | 1LR-GUE |
乗車定員 | 2名 | 種類 | 4.8L V10 DOHC |
全長×全幅×全高 | 4505×1895×1220 mm | 気筒内径×行程 | 88 .0×79.0 mm |
ホイールベース | 2605 mm | 総排気量 | 4805 cc |
トレッド前/後 | 1580/1570 mm | 圧縮比 | 12.0 |
最低地上高 | 115 mm | 最高出力 | 412kW[560ps]/8700rpm |
重量 | 1480 kg | 最大トルク | 480Nm[48.9kgm]/7000rpm |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン | 燃料タンク容量 | 73 L |
サスペンション後 | マルチリンク | トランスミッション | 6AT(ASG) |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク | 駆動方式 | FR |
ブレーキ後 | ベンチレーテッドディスク | 動力性能 | |
タイヤ前 | 265/35ZR20 | 最高速度 | 325 km/h |
タイヤ後 | 305/30ZR20 | 0-100km/h加速 | 3.7秒 |
◆公式PV
◆公式ニュルブルクリンク北コースアタック