1957年に登場したコロナ、1970年に登場したカリーナの後継車種として、2001年12月に誕生したベーシックセダンがプレミオ／アリオン。プレミオはトヨペット店、アリオンはトヨタ店で販売される兄弟車である。これらはカローラの上となるミドルクラスに位置付けられるが、欧州Dセグメントと比較するとボディサイズがやや小さく、日本市場にのみターゲットを絞った5ナンバー車として開発された。直接のライバルとなるのは、日産「ブルーバードシルフィ」。ちなみに欧州Dセグメントに対抗するモデルとしては、2003年にアベンシスが登場している。

　そんなプレミオ／アリオンは、2007年6月、フルモデルチェンジが行われて2代目（T260系）へと進化した。2代目もまた先代同様、プレミオは高級感、アリオンはスポーティなイメージを持ち、それぞれのデザインをより差別化している。プレミオはクラウンを彷彿とさせるヘッドライト形状、アリオンは横長の鋭いヘッドライト形状を採用した。ボディサイズ（プレミオ）は、全長4600mm（アリオンは4565mm）、全幅1695mm、全高1475mmと先代とほぼ同サイズ、ホイールベースは先代と同じく2700mmで、多くの国内メーカーが欧州Dセグメントを意識してボディサイズの拡大を図るなか、今回も扱いやすい5ナンバーサイズが保たれたのが大きな特色といえる。

　インテリアは、室内長が80mm、室内幅が55mm拡大され、さらに広い室内空間を実現。質感が一層高められたインパネは両モデルとも同一デザインとされ、「グレージュ」「ダークグレー」と2つのカラーを選択することができる。シートはすべてファブリックとなるが、プレミオにのみ「ハイラグジュアリー」と呼ばれる豪華表皮も設定。機能面では、リヤシートを6：4分割可倒式ダブルフォールディングを採用するなど、セダンでありながらも使い勝手を大きく高めているのが特徴となる。そのほか、チルト＆テレスコピック機構付きステアリング、スマートエントリー＆スタートシステムを標準、またバックモニター、G-BOOK mX対応の最新HDDナビをオプション装備とするなど、快適装備も充実している。

　メカニカルコンポーネンツの多くは先にモデルチェンジを果たしたカローラから流用されており、デビュー当初のエンジンラインアップは1.5L（1NZ-FE）、1.8L（2ZR-FE）の直列4気筒2機種であった。加えて2008年1月には、ノア／ヴォクシーで初採用された2.0L車を追加設定。この2.0Lエンジン（3ZR-FAE）には、バルブマチック機構を採用することで、15.6km/Lという高い燃費性能と低エミッションを実現している。トランスミッションは全車にCVTを搭載。駆動方式はFFのほか、1.8Lエンジン搭載車には4WDも設定される。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リヤがトーションビーム（4WDはダブルウィッシュボーン）を採用。タイヤサイズは1.5L車が14インチ、1.8Lと2.0L車が15〜16インチとなる。

　デビューから約3年が経った2010年4月には両車ともマイナーチェンジが行われた。両車に共通の変更点は、1.8Lエンジンにバルブマチック機構を採用し、燃費が高められたこと。具体的には1.8Lの2WD車で18.6km/L、4WDで15.6km/Lを達成した。そしてエクステリアデザインにメスが入ったのもポイント。とくに印象が変わったのはアリオンで、横基調のフロントグリルや丸型3連ヘッドランプを採用することで、よりスポーティな佇まいとなった。一方プレミオはフロントグリルが変更されたほか、フロントグリルや本革シート表皮などが専用デザインとなる「スペリアパッケージ」を新設定。両車の個性がより一層明確化されている。そのほか、両車ともリヤコンビランプや15インチホイール、シート表皮の意匠が変更され、新鮮さを取り戻した。