解説
2019年7月、8代目コルベット(C8)がワールドプレミアされた。1953年以来アメリカを代表するスポーツカーとして休むことなく生産され続けてきたが、C8は先代から大きく方向転換したのがトピックだ。それは、初代から受け継がれたFRからMRレイアウトに変更したのが理由。同じカテゴリのフェラーリやランボルギーニはミッドシップ方式を採用し続けているが、いよいよコルベットも同じ路線を目指すことになったのである。
エクステリアは、ロングノーズ・ショートデッキの典型的なFRのプロポーションから、ショートノーズのミッドシップスポーツらしいデザインとなった。車両骨格は、軽量かつ高剛性を実現するアルミダイカスト製で、これに複合素材のボディパネルが与えられる。エンジンは、「LT2」と呼ばれる6.2L V8 OHVを搭載し、495hpを発揮。トランスミッションはトレメック社製のデュアルクラッチ式8速ATが組み合わされる。
そんなコルベット(C8)に伝統の高性能バージョン「Z06」が追加されたのは、2021年10月のこと。エンジンは「LT2」に代え、「LT6」と呼ばれる5.5L V8 DOHCを搭載。コルベットにDOHCを採用するのは、1989年モデル(C4)の「ZR-1」以来のこと。フラットプレーンクランクとショートストロークピストンの採用により8600回転という高回転型で、最高出力は670hpを発揮。エクステリアは、専用エアインテーク、大型リヤスポイラーが大きな特徴となっており、フロント20インチ、リヤ21インチのホイールを採用。タイヤはミシュランの「パイロットスポーツ4SZP」が装着される。なお、よりパフォーマンスを追求するユーザー向けに、「Z07パフォーマンスパッケージ」も用意。こちらにはカーボンファイバー製エアロパーツ、ミシュラン「スポーツカップ2RZP」、ブレンボ社製カーボンセラミックブレーキなどが含まれる。2023年モデルとして発売されるコルベット Z06は、内燃機関のピュアスポーツカーとして、希少性とライバルに匹敵する高性能を持ち合わせた、歴史に名を残す1台なのは間違いない。
主要諸元 " MY23 CHEVROLET CORVETTE Z06 COUPE "参照:プレスリリース
寸法・重量 | エンジン・トランスミッション | ||
車格 | プレミアムスポーツ | 型式 | LT6 |
乗車定員 | 2名 | 種類 | 5.5L V8 DOHC 32V |
全長×全幅×全高 | 4688×2025×1235 mm | 気筒内径×行程 | 104.25×80.0 mm |
ホイールベース | 2722 mm | 総排気量 | -- cc |
トレッド前/後 | 1685/1678 mm | 圧縮比 | 12.5 |
最低地上高 | -- mm | 最高出力 | 670hp/8400rpm |
重量 | 1561 kg | 最大トルク | 623Nm[63.5kgm]/6300rpm |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン | 燃料タンク容量 | 70 L |
サスペンション後 | ダブルウィッシュボーン | トランスミッション | 8DCT |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク | 駆動方式 | MR |
ブレーキ後 | ベンチレーテッドディスク | 動力性能 | |
タイヤ前 | 275/30ZR20 | 最高速度 | -- km/h |
タイヤ後 | 345/25ZR21 | 0-100km/h加速 | --秒 |