ドイツのミュンヘンに拠点を置く自動車メーカーがBMWである。創業は1916年で、当初は航空機エンジンを主に手がけていた。四輪自動車の市場に踏み出したのは1929年で、高級な乗用車を中心としたラインアップを展開していた。とくに70年代に入ると、「3.0CS」や「2002」など、スポーティなクーペやセダンを発売し、ドイツレーシングカー選手権などのモータースポーツへの参戦も意欲的だった。そんなBMW初のスポーツカーと言えば、78年に登場した「M1」。当初はグループ4参戦車両のベースモデルとして開発されたものの、結果的にはグループ4への参戦は叶わず、今では伝説の1台として歴史に名を刻んでいる。また、同社のモータースポーツ活動を支える「M GmbH」が手がける一連の「M」シリーズは、BMWのスポーツカーを語る上で欠かせない存在だ。特に1986年に登場した「M3」は、当初グループA参戦のためのホモロゲーションモデルだったが、その後はモータースポーツ参戦の有無にかかわらず、リアルスポーツカーとして進化し続けてきた。一方、同社は価格が1000万円〜2000万円のプレミアムスポーツは手薄な傾向にある。しかし最近はPHVの「i8」が登場し、今後の進化や展開に大きな期待が寄せられている。
