IS F、RC Fに続くレクサス「F」モデルの第3弾となるGS Fが登場したのは2015年11月。ベースとなるのは2代目GSで、マイナーチェンジと同時に導入されることになった。同カテゴリにはメルセデス E63、BMW M5など強力なライバル達がひしめくが、GS Fはレクサスとして初のEセグメントスポーツをラインアップに加わった。
エンジンは、RC Fと同じく5.0L V型8気筒を搭載。最高出力は477psとドイツ勢の600ps級マシンと比べると控えめな数値となっているが、パワーユニットの組み立て後、一基ずつバランス取りをして自然吸気ならではのリニア感やレスポンスのよさにこだわったのが注目のポイント。組み合わされるトランスミッションは8-Speed SPDS。IS Fから導入されているもので、1速以外はロックアップされ、パワーロスを抑えている。これはAT走行も可能だが、Mポジションを選択した場合、変速に要する時間はわずか0.1秒。サーキット走行にも対応する。
一方、ボディにはレーザー溶接、スポット打点の増し打ち、高剛性ガラス接着剤の採用に加え、前後ブレースの剛性を強化。ノーマルのGSに対し、さらに手を加えることでボディ剛性が高められているのがポイントだ。またブレーキはフロントがアルミ製対向6ピストン、リヤがアルミ製対向4ピストンモノブロックキャリパーを採用。サスペンションもパーツを新設計する徹底ぶりである。後輪左右の駆動力を最適に制御する「TVD」は、「STANDARD」、「SLALOM」、「CIRCUIT」の3モードが選択可能となる。
「F」バージョンを語る上でのキーワードは、日常からサーキットまで幅広く使えること。これは、最初に投入されたIS Fから一貫してレクサスが主張していること。それがたとえEセグメントの高級サルーンだとしても、ドライビングプレジャーは妥協したものでない。これは高級セダンの皮を被ったスポーツカーなのである。 |