三菱は、造船などの重工業分野において、国内ではとくに規模の大きい会社。そんな同社が乗用車の開発を本格的に始めたのは戦後で、ミニカやコルトギャランなどが有名である。1970年には三菱重工業から独立する形で「三菱自動車工業(MMC)」が設立され、現在に至る。そんな三菱には、長い歴史を振り返ってみてもリアルスポーツカーと呼べるモデルはわずかしか存在していない。そんな数少ない三菱製スポーツカーの代表モデルと言えるのが、1990年に登場したGTOだ。アメリカ市場を意識したGTカー要素の強いスタリオンに対し、その後継として登場したGTOは、90年代の国産スポーツカーブームに乗って開発されたモデルだが、商業的には成功せず、後継車もないまま消えていった。一方、乗用車ベースのスポーツカーとしてファンに絶大なる支持を受けているのが、1992年に登場したランサーエボリューション。当初はWRCグループA参戦のためのホモロゲーション取得を目的に開発されたモデルだったが、WRC撤退後も毎年のように進化し続け、小型セダンながらも第一級のスポーツカーに成長していった希少な存在である。 そのほか、FTO、エクリプスなどのスペシャルティクーペなども、三菱の有名なスポーティカーである。