RS4(4th)
RS 7(2nd)
解説
1980年代にはWRC、2000年代にはル・マン24時間耐久レースなどで輝かしい結果を残してきたアウディ。その技術は、量産ワゴンなどをベースとした高性能仕様「RS」シリーズに還元されてきたが、専用ボディのリアルスポーツカーは、歴史をひも解いても存在していなかった。その潮流が変わるのは2003年9月のフランクフルトショーで、アウディはコンセプトカー「ル・マンクワトロ」を公開している。さらにその3年後となる2006年パリサロンでは、その市販型「R8」がお披露目された。これはアウディ初の本格ミッドシップスポーツカー誕生の瞬間であった。
R8の生産が行われたのはドイツ・ネッカーズウルム工場。ここはR8の親戚関係にあるランボルギーニ ガヤルドが生産されている工場でもあり、両モデルには共通点が多いのも特筆すべき点。車体にはアウディ・スペース・フレームを採用し、軽量化を実現する。外観はコンセプトカー時代とほぼ変わらないデザインで、ライバルのフェラーリ F430やポルシェ 911などと比べても遜色ない存在感を放つ。とくにボディサイドのプレートが全体の印象を引き締めており、素材はアルミまたはカーボンから選択可能。当初のエンジンは、RS4と同型の直噴式4.2L V型8気筒。こちらにはドライサンプ方式を採用し、最高出力は420psを達成した。トランスミッションは6速MTのほか、「Rトロニック」と呼ばれるシーケンシャル式MTも組み合わされる。駆動方式はビスカスカップリング式の4WDを採用する。さらに2009年1月のデトロイトショーでは、525psを発生する5.2L V型10気筒搭載モデルも登場した。
2010年にはオープンの「スパイダー」を追加。2012年にはデザインが小変更されると同時に、550psの「V10 plus」が登場するなど、プレミアムスポーツとしての正常進化を続けている。モータースポーツシーンでは、GT3カテゴリに「R8 LMS」を投入し、好成績を納めている。2016年には全面改良され、2代目にバトンタッチされた。
主要諸元 " 2007y AUDI R8 4.2FSI QUATTRO "参照:プレスキット
寸法・重量 | エンジン・トランスミッション | ||
車格 | プレミアムスポーツ | 型式 | BYH |
乗車定員 | 2名 | 種類 | 4.2L V8 DOHC 32V |
全長×全幅×全高 | 4431×1904×1252 mm | 気筒内径×行程 | 84.5×92.8 mm |
ホイールベース | 2650 mm | 総排気量 | 4163 cc |
トレッド前/後 | 1632/1593 mm | 圧縮比 | 12.5 |
最低地上高 | -- mm | 最高出力 | 309kW[420ps]/7800rpm |
重量 | 6MT:1560 kg 6AT:1565 kg | 最大トルク | 430Nm[43.8kgm]/4500-6000rpm |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン | 燃料タンク容量 | 75 L |
サスペンション後 | ダブルウィッシュボーン | トランスミッション | 6MT/6AT(Rトロニック) |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク | 駆動方式 | Midship 4WD |
ブレーキ後 | ベンチレーテッドディスク | 動力性能 | |
タイヤ前 | 235/40R18 | 最高速度 | 301 km/h |
タイヤ後 | 285/35R18 | 0-100km/h加速 | 4.6秒 |
◆公式PV(R8クーペ)