CT4-V(1st)
解説
新世代キャデラックを象徴するUSミッドサイズセダンがCTS。その3代目がお披露目されたのは、2013年4月のニューヨークショーでのことである。ひと足早く登場した弟分ATSと共通のデザインをまとった新型CTSは、ボディサイズをさらに拡大。欧州Eセグメントに照準をぴったりと合わせ、走りとスタイル、そしてプレミアムセダンとしての存在感を際立たせている。そのCTSをベースとする高性能仕様「V」がデビューするのは、それから2年後の2015年デトロイトショーでのこと。やりすぎとも思えた先代を上回る、弩級のモンスターサルーンとなって帰ってきたのだ。
搭載されるエンジンは、6代目コルベット「ZR-1」譲りのLS9ユニット。6.2L V8 OHVにスーパーチャージャーを組み合わせるのは先代CTS-Vと同じだが、過給器のローターを小径化するなど大幅な改良を加えることで、最高出力は先代から86hpも高い640hpを発揮。これは、ライバルのメルセデスAMG E63S、BMW M5、アウディ RS6/RS7を大きく引き離すクラストップの数値である。0-60mph(0-97km/h)加速はわずか3.7秒。組み合わされるトランスミッションはパドルシフト付きの8速ATとなるが、昔ながらのトルコン式を採用するのがいかにもアメ車らしい。
サスペンションは、ゴムブッシュの代わりにゼロコンプライアンス・クロスアクシス・ボールジョイントを採用するほか、スプリングやスタビライザーのバネレートを強化。リヤには新設計サブフレームを採用するなど、サーキット走行を想定したチューニングが施されている。ダンパーには第3世代のマグネティック・ライドコントロールを採用。そのほか電子制御LSD、前6ピストン、後ろがピストンのブレンボ社製ブレーキが与えられるなどシャシーが大幅に改良された。外観は標準のCTSとはひと目で異なる迫力あるデザインで、とくに通気ベントが設けられたカーボン製エンジンフードが見所だ。3代目CTS-Vは、名だたるライバルを震撼させる超本気の高性能マシンに仕上げられている。
主要諸元 " MY16 CADILLAC CTS-V "参照:プレスキット
寸法・重量 | エンジン・トランスミッション | ||
車格 | Eセグメントスポーツ | 型式 | LS9 |
乗車定員 | 5名 | 種類 | 6.2L V8 OHV 16V S/C |
全長×全幅×全高 | 5021×1833×1454 mm | 気筒内径×行程 | 103.25×92.0 mm |
ホイールベース | 2910 mm | 総排気量 | 6162 cc |
トレッド前/後 | - mm | 圧縮比 | 10.0 |
最低地上高 | 1577/1554 mm | 最高出力 | 477kW[640hp]/6400rpm |
重量 | 1880 kg | 最大トルク | 855Nm[87.2kgm]/3600rpm |
サスペンション前 | マクファーソンストラット | 燃料タンク容量 | 72 L |
サスペンション後 | 5リンク | トランスミッション | 8AT |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク | 駆動方式 | FR |
ブレーキ後 | ベンチレーテッドディスク | 動力性能 | |
タイヤ前 | 265/35ZR19 | 最高速度 | -- km/h |
タイヤ後 | 295/30ZR19 | 0-60mph加速 | 3.7秒 |