1909年、鈴木式織機製作所として創業したスズキ株式会社。同社は二輪車メーカーとしても有名で、数々のスポーツバイクを生産してきた。一方四輪車の世界においては、1955年に発表した「スズライト」を皮切りに、次々と身近な軽自動車を生み出し、現在はダイハツと争う軽自動車メーカーとなっている。主力商品が軽自動車であるがゆえ、本格的なスポーツカー市場には参入していないが、同社の代表的な軽「アルト」をベースとしたスポーツモデル「アルトワークス」は、1987年の登場以降、小粒で過激なホットハッチとして、ストリートやサーキットで多くのドライバーに走る楽しさを教えてくれた。また、90年代に入り国産スポーツカー黄金期を迎えると、軽自動車ながらも本格的なFRスポーツ「カプチーノ」をリリース。同じ頃に登場したホンダ ビートやマツダ AZ-1とともに、軽スポーツの3大モデルとして有名である。2000年代に入りスポーツカーブームが下火になると、小型車の「スイフト」をベースとしたスイフトスポーツが登場。ローパワーながらも、欧州車顔負けのハンドリングや刺激的な外観など、世界のコンパクトホットハッチに負けない魅力を備え、現在でもサーキットで楽しめるクルマとして人気を博している。