2006年にフルモデルチェンジを行い、3代目となった軽のハイトワゴンであるムーヴ。そのムーヴ・ファミリーに、2008年8月に加えられたニューモデルがムーヴ・コンテである。ムーヴ・ファミリーは、基本となる「ムーヴ」のほか、先代ムーヴがベースとなる女性向けの愛らしいデザインの「ムーヴ ラテ」があるが、新たに登場したムーヴ コンテは、シンプルな「居心地のよさ」をテーマに開発され、軽自動車の新たな方向性を示したモデルとなっている。バリエーションは、ベーシック仕様のほか、クールでスポーティな印象を全面に押し出したカスタム系が設定され、軽自動車の世界ではすでに常套手段となっている2シリーズ構成とされた。「コンテ」のネーミングは、台本を意味するコンテのほか、コンフォータブル・インテリア（快適な室内）に由来する。

　エクステリアは、ワンモーションフォルムが特徴的なムーヴとは対照的に、ムーヴ コンテはスクエアですっきりとした面構成とされ、加飾を廃したシンプルなデザインでまとめられている。カスタム系は、それをベースに縦型2灯式ディスチャージヘッドランプやメッキモール、リヤスポイラー、クリアタイプのリヤコンビランプを採用し、若年層に訴える迫力あるスタイリングとされた。ボディサイズは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1645mmとハイトなプロポーション。ホイールベースは、ムーヴと同様の2490mmとなる。

　インテリアは、水平基調のインパネに、レッド（カスタム系はシルバー）のアクセントラインが与えられているのが特徴で、横方向の広がりを感じさせるデザインとなっている。カラーは、ベーシックなムーヴ コンテがウォームグレー、カスタム系がブラックを採用。またどちらのモデルにも、フランス人デザイナーが手がけたというこだわりのプレミアムソファシートが与えられているのが大きなトピック。これは、シートに素材の組み合わせを強調するステッチ、アクセントカラーなどをあしらうことで個性的なデザインとされているほか、ショルダー部を張り出させることにより、座り心地が高められている。さらに一部グレードを除き、軽自動車初となる運転席パワーエントリーシート（電動パワーシート）、キーフリーシステム、リバース連動ドアミラーなどを採用するなど、快適装備もしっかりと充実している。

　搭載されるエンジンは、658cc 直列3気筒DOHC（KF-VE）、同ターボ（KF-DET）の2機種。自然吸気は、最高出力が58馬力、ターボが64馬力を発生する。なおターボは「カスタムRS」のみの設定。トランスミッションは、CVTが基本となるが、「L」「Lリミテッド」は4速ATの組み合わせとなる。駆動方式は全グレードを通して2WD、4WDをそれぞれ設定。燃費（10・15モード）は、自然吸気エンジン＋CVTを組み合わせたモデルで、23.0km/Lという優れた値を達成する。