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 FRANKFURT 62nd International Motor Show

フランクフルトショー

開催期間:2007年9月11日〜9月23日

◆オペル アギラ(市販化)

 オペルのボトムレンジを担うアギラがフルモデルチェンジを果たし、2代目となった。先代まではスズキ「ワゴンRプラス」のバッヂエンジニアリングだったが、今回は同時に発表されたスズキ「スプラッシュ」との姉妹車。ボディサイズは、全長3740mm、全幅1680mm、全高1590mmとサイズアップ。室内空間のゆとりを確保するとともに、インテリアの質感も高めた。エクステリアは、親しみやすさを感じさせるデザイン。エンジンはガソリンが1.0L(65ps)。1.2L(86ps)、ディーゼルが1.3L(75ps)の3機種を設定する。発売は2008年春。

◆フォード クーガ(市販化)

 欧州フォードが放つ、コンパクトSUVがクーガである。その元となっているのは、前年パリサロンで発表されたコンセプトモデルのイオシスX。すでにデビューを果たしているモンデオやS-MAXなどでもおなじみの「キネティックデザイン」のエッセンスが取り入れられ、スポーティなスタイリングをもつ。駆動方式は4WDとなり、コンパクトクラスのSUVながらもある程度の走破性能は確保されている。ライバルと目されるのは、同時に発表されたVW「ティグアン」など。ドイツのザールロイス工場で、2008年初頭から生産が開始される予定である。

◆フォード バーブ コンセプト(コンセプトカー)

 欧州フォードのコンパクトモデルは、現在KAやフィエスタなどが存在するが、同社の次世代コンパクトモデルのデザインスタディといえるのがこのバーブ コンセプトである。これを手がけたのはイギリスとドイツのデザインセンター。そのスタイリングをみると、ボンネットからBピラーにラインが繋がるモノフォルムのボディライン、シャープにつり上がったヘッドライト、台形フロントグリル、大径ホイールを採用しており、フィエスタなどと比べるとかなりスポーティに仕立てられている。ボディサイズ、搭載エンジンについては明らかにされていない。

◆フォルクスワーゲン ティグアン(市販化)

 フォルクスワーゲンのSUVにはすでにトゥアレグが存在するが、一回り小型で、その弟分ともいえるモデルが「ティグアン」である。これは2006年フランクフルトショーで公開された「コンセプトA」を具現化したもので、エクステリアは都会的な小型SUVそのもの。エンジンは、ガソリンが1.4LのTSI(スーパーチャージャー+ターボ)で、出力別に150ps、170ps、200psの3タイプ、「ブルーテック」を採用するディーゼルが出力別に140ps、170psの2タイプを設定する。このディーゼルは、排ガス規制ユーロ5をクリアするなど、高いエミッション性能を誇る。

◆フォルクスワーゲン up!コンセプト(コンセプトカー)

 フォルクスワーゲンが提案するシティコミューターがup! コンセプト。スマート「フォーツー」、フィアット「500」など、Aセグメントの小型車が立て続けにデビューを果たしているが、フォルクスワーゲンもこのセグメントに向けて戦略を立てる。かつては同社の「ルポ」がその役割を担ってきたが、up! コンセプトはそれよりもさらに小さく、全長はおよそ3.45mであるが、大人4人の乗車が可能となっている。加えてそれぞれのシートは折りたたみと取り外しも可能。また、エンジンはリヤに搭載するのが大きな特徴であり、かつての「タイプI(ビートル)」を彷彿とさせる。

◆アウディ A4(市販化)

 アウディの中核モデルであるA4がフルモデルチェンジを受け、4代目となる。新型A4のプラットフォームは、一足先に発表されたA5と同じく新世代シャシー。エクステリアは先代のイメージを踏襲するが、全体的にはA5との関連性が強い。ボディサイズは大幅に拡大され、全長は4703mmに至る。メカニズム面ではESPと協調制御の可変ギアレシオをもつ「アウディ・ダイナミック・ステアリング」の採用が新機軸。エンジンは、ガソリンが直噴式の3.2L V6および1.8L 直4ターボ、ディーゼルが新開発3.0L V6、2.7L V6、2.0L 直4の合計3機種が設定される。

◆アウディ RS6(市販化)

 A6のハイパフォーマンスモデルS6はすでに投入されているが、それをさらに上回る性能を誇るのがRS6である。先代RS6では4.2L V型8気筒エンジンが搭載されていたが、新型では5.2L V型10気筒ツインターボを搭載。これにより、最高出力580psというアウディ史上最高のパフォーマンスを発揮し、0-100km加速4.8秒を誇る。また、このエンジンはドライサンプ式であるのも大きな特徴。エクステリアは、ブリスターフェンダー、専用フロントバンパーなどを採用する。先代にはセダンも存在したが、今回はまずアバントのみが公開された。発売は2008年4月となる。

◆ミニ クラブマン(市販化)

 昨年フルモデルチェンジを受けたニュー・ミニに、新たなボディバリエーション「クラブマン」が設定される。このモデルはベースモデルから全長を240mm、ホイールベースを80mm延長し、スポーツワゴン風、英国流にいえばシューティングブレーク風に仕立てられている。ボディ右側には後席の乗降性を高めるために、観音開き式のドアを採用。さらにラゲッジルームは最大930Lを確保するなど、実用性も十分高い。バリエーションは、175psを発生する「クーパーS」、120psを発生する「クーパー」、110psを発生する「D」の3モデルが用意される。

◆BMW 1シリーズ クーペ(市販化)

 BMWのボトムレンジを担う1シリーズにクーペが設定されることになった。フロントセクションのデザインは共通だが、スポーティクーペとしてのプロポーションは抜群で、BMWに相応しい躍動感を感じさせる。搭載されるエンジンは、3.0L 直列6気筒ターボ(335i)を頂点に、ターボディーゼルも2機種(123d/120d)用意される。とくに「335i」では、3シリーズのトップモデルにも設定されるもので、最高出力は286psを発生。1シリーズのMモデルといっても差し支えないほどのパフォーマンスを誇る。欧州での発売は2007年11月からとなる。

◆BMW コンセプト X6(コンセプトカー)

 BMWにはX3、X5と2つのSUVがラインナップされているが、これに続くモデルがX6である。ただし前2モデルと大きく異なるのは、同社が「スポーツ・アクティビティ・クーペ(SAC)」と呼ぶ新ジャンルに位置づけられている点。SUVとクーペを融合したような流麗なフォルムは、同社が「SAV」と呼ぶこれまでのものとは大きく異なる。ただし、クーペといえどもドアは4枚存在し、乗降性は犠牲にされていない。駆動方式は当然xDrive(4WD)。動力源には通常のガソリンやディーゼルエンジンはもちろんのこと、フルハイブリッドシステムを採用するのも全く新しい試みといえる。

◆メルセデスベンツ Cクラス エステート(市販化)

 モデルチェンジが行われたばかりの3代目Cクラスにエステートが設定された。エクステリアはセダンと同様スポーティかつスタイリッシュに仕立てられ、ライバルであるBMW「3シリーズ ツーリング」と比べても遜色がないデザインレベルにある。荷室容量も3シリーズを上回り、通常485L、最大1500Lと実用性も申し分ない。ちなみにゴルフバッグ換算でいえば、4セットを楽に収納することができる。また新採用される「イージーパックシステム」では、ボタン操作でリヤゲートの電動開閉が可能。エンジンラインナップやパッケージなどは、セダンの内容に準ずる。

◆メルセデスベンツ C63AMG(市販化)

 3代目Cクラスにさっそくハイパフォーマンスモデル「C63AMG」が設定された。先代は5.5L V型8気筒が搭載されていたが、新型ではCLKクラスなどと同様6.3Lの新世代V型8気筒を搭載、最高出力457psを発生する。これに合わせて足回りには新設計3リンク式フロントサスを採用しトレッドを35mm拡大。リヤサスも再設計されトレッドを12mm拡大している。さらにブレーキにはフロント6ピストン、リヤ4ピストンのキャリパーを採用。エクステリアは、ボンネットに2本のプレスラインが施されるほか、エアロパーツなどが奢られる。このモデルはエステートにも設定される。

◆メルセデスベンツ F700(市販化)

 コンセプトモデル「F700」は、次世代パワーユニット「DIESOTTO(ディゾット)」を搭載する。このエンジンは、ガソリン、ディーゼル双方の燃焼方式を状況に応じて使い分けることが可能。これにより、エンジンの燃焼効率が大幅に高められる。エンジン自体は1.8L 直列4気筒ターボと小型であるが、最高出力は238psと高い性能を実現する。エクステリアは、4ドアながらもメルセデスらしい優雅な流線型フォルムが特徴的。また足回りには、レーダーセンサーで路面状況を読み取り、ダンピングを制御する「アクティブ・プレスキャン」が採用されるのも新しい。

◆ポルシェ 911 GT2(市販化)

 911シリーズの頂点に位置する「GT2」の新型が発表された。エクステリアには巨大なフロントエアインテーク、リヤウイングを採用するなど、迫力のあるスタイリングとされた。リヤにマウントされる3.6L水平対向6気筒エンジンは、911ターボのものをベースに最高出力を530psにまでアップ。0-100km加速が3.7秒という実力を誇る。駆動方式は先代同様リヤドライブで、トランスミッションは6速MTのみとなる。また同社の市販モデルでは初めてチタン製リヤサイレンサーを採用したのも新しい。ブレーキローターにはカーボンセラミックを標準装備する。

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