トップ > モーターショーズ > 2009年 > フランクフルト

 Frankfurt, 63rd International Motor Show

フランクフルトショー

開催期間:2009年9月15日〜9月27日

◆フォード C-MAX(市販モデル)

 欧州フォードのCセグメントMPVであるC-MAXが一新された。2代目となる新型は、次期フォーカスにも使われる予定の新世代Cセグメントプラットフォームを採用。先代と同じく、この新しいシャシーはまずMPVに先行投入された。エクステリアは、すでにお馴染みの「キネティックデザイン」を採用。KAやフィエスタなどと共通性を感じさせるスポーティなフェイスを持つ。搭載されるエンジンは、新開発の1.6L 直4ターボ。この直噴ターボユニットはエコブーストと呼ばれるもので、今後の主力ユニットとなるもの。装備面では駐車支援システムなどが与えられる。発売は2010年後半の予定だ。

◆オペル アストラ(市販モデル)

 ゴルフのライバルとなるオペルのCセグメント、アストラの4代目がいよいよデビューする。エクステリアは、オペルの新しいデザインテーマ「ウイング&ブレードデザイン」を取り入れ、より一層クリーンなスタイルとなった。ボディは約170mm全長が伸ばされ、ホイールベースも延長することで居住性を向上。インテリアは、インパネを左右ドアパネルと一体化させた伸びやかなデザインが特徴的。エンジンは、ガソリンが1.4L、同ターボ、1.6L、同ターボ、ディーゼルが1.3L、1.7L、2.0Lのディーゼルターボが用意され、いずれもユーロ5をクリアする。新開発リヤサスも採用され、走行性能もさらに高まった。

◆フォルクスワーゲン E-Up! コンセプト(コンセプトカー)

 07年フランクフルトショーで公開されて以来、幾度に渡ってショーに登場した次世代シティコミューターの最新モデルが発表された。このE-Up! コンセプトは、Up!シリーズのひとつとなる電気自動車。サイズは全長3190mmとAセグメントのなかでもとりわけ小さいが、大人3名+子供1名の4名乗車が可能なパッケージングを持つ。パワートレインは、トランスミッションとデフが一体となった電気モーター。フロントに位置するこのモーターの最高出力は81ps。そして床下にはリチウムイオン電池がレイアウトされる。2011年には通常のエンジン搭載車が先行発売され、この電気自動車の発売は2013年となる予定。

◆フォルクスワーゲン ポロ 3ドア(市販モデル)

 先のジュネーブショーで発表されたポロの3ドアバージョンが加わった。ボディサイズは5ドアと同一だが、やや後方に移されたBピラーや専用デザインとなるCピラーなど、先代よりもパーソナルカー的な性格を強めたデザインとされた。搭載エンジンも5ドアと同じくガソリンが1.2L 直3、1.2L 直4ターボ、1.4L 直4、ディーゼルが1.6L 直4ターボが用意される。装備面では、デイタイムランニングライト、ESP、運転席ハイトアジャスターなどを全車に標準装備。グレードは、ベーシックな「トレンドライン」、標準の「コンフォートライン」、最上級の「ハイライン」が用意される。

◆フォルクスワーゲン ゴルフ R(市販モデル)

 「GTI」のさらに上を行く最強のゴルフが「R」。4代目ゴルフに設定されて以来、パサートやシロッコにも拡大設定された「R」の最新モデルである。エクステリアは、専用前後バンパー&グリル、サイドスカート、リヤスポイラーなどで差別化。とりわけLEDのデイタイムランニングライトが目を引く。搭載エンジンは、V6だった先代「R32」とは異なり、アウディ TTSやVW シロッコ「R」と同型ユニットの2.0L 直4直噴ターボ。ただし吸排気系チューニングによって最高出力を270psにまで高めている。駆動方式は4モーション(4WD)で、6速MTまたは6速DSGが組み合わされる。09年末に販売開始予定。

◆アウディ S5スポーツバック(市販モデル)

 アウディA5の3番目のボディであるA5スポーツバック。これをベースとした高性能モデルS5スポーツバックが登場した。ほかの2台のS5と大きく異なるのはパワーユニット。スポーツバックには、クーペやカブリオレの4.2L V8ではなくS4に搭載される3.0L V6+スーパーチャージャー(333ps)が与えられた。組み合わされるトランスミッションは7速Sトロニック。専用18インチホイール、専用フロントグリル、ブラック塗装のブレーキキャリパーの採用などがA5スポーツバックとの外観上の識別点。室内には電動調整機構を備えたシルクナッパレザーのスポーツシートが奢られる。発売は2010年春の予定。

◆アウディ R8スパイダー(市販モデル)

 アウディの高性能スポーツカーR8に、2シーター・オープンのスパイダーが設定された。電動開閉式のソフトトップが採用されたエクステリアは、クーペの大きな特徴だったアルミ製サイドブレードが廃され、エンジンカバー部からリヤまわりがすっきりとしたデザインとなった。ソフトトップの開閉に要する時間は19秒。これは50km/h以下であれば走行中でも開閉できる。高級なナッパレザーをふんだんに用いたインテリアは、スーパースポーツに相応しい質感を誇る。装備面では世界初となるシートベルトマイクロフォンの採用もトピック。エンジンは、直噴式5.2L V10を搭載する「5.2FSIクワトロ」のみとなる。

◆アウディ イートロン(コンセプトカー)

 アウディが提案するEVスポーツのコンセプトモデルがこのイートロンである。R8によく似たそのスタイリングを見る限り市販化はまだ遠そうであるが、その中身は画期的なもの。フロントに2基、リヤに2基の計4基が搭載される電気モーターが4輪を駆動するという新しいクワトロシステムを持つのが大きな特徴。「トルクベクタリング」と呼ばれる装置で全輪のトルクをコントロールすることで、極めて高いコーナーリング性能を実現するという。電気モーターのトータル出力は313ps、そして最大トルクは459.0kgmという途方もない数値を実現。バッテリーはリチウムイオン式を採用し、航続距離は248kmに達する。

◆BMW 5シリーズグラントゥーリズモ(市販モデル)

 09年ジュネーブショーでコンセプトモデルが公開された5シリーズグランツーリスモの市販モデルが正式発表された。セダンやワゴンに先駆けて登場した5ドアボディは、全長4998mm、全幅1901mm、全高1559mmと、先代5シリーズと比べるとひと周り以上も大きいサイズ。クーペのようななだらかなルーフを持つが、新型7シリーズと同じ3070mmというロングホイールベース、高めの車高の恩恵で室内はかなり広い。リヤシートは左右独立してスライド&リクライニングも可能。エンジンは3.0L 直6ターボ(535i)、4.4L V8ターボ(550i)、3.0L 直6ディーゼルターボ(530d)の3機種が用意される。

◆BMW アクティブハイブリッド7(市販モデル)

 長らく水素燃料の7シリーズを開発してきたBMWだが、いよいよハイブリッドモデルの導入も開始した。現行型7シリーズをベースとするこのモデルの名称はアクティブハイブリッド7。システムは、ダイムラーとの共同開発によるものだ。ユニットは、449psを発生する4.4L V8直噴ターボ、20psを発生する3相同期電気モーター、8速AT、そして400Whのリチウムイオン電池で構成される。モーターはエンジンとトランスミッションの間に配され、加速時にエンジンをアシスト。つまり主役はエンジンとなるマイルドハイブリッド方式である。高出力を実現しながら欧州複合モード走行で10.6km/Lという高燃費を実現する。

◆BMW X1(市販モデル)

 X3よりもさらに下に位置づけられるコンパクトSUV、X1が登場した。全長4454mm、全幅1798mm、全高1545mmというボディサイズを持ち、日本の立体駐車場にも収まる低めの車高が注目すべきポイント。ラインアップは、ガソリン3.0Lの「xDrive28i」、ディーゼル2.0Lの「xDrive23d」、その低出力版である「xDrive20d」と「xDrive18d」が用意され、ディーゼルモデルの一部には後輪駆動車(sDrive)も設定される。ほかのBMWモデルと同じく回生ブレーキ、アイドリングストップ、電動燃料ポンプなどの省エネ機能を採用し、二酸化炭素排出量を削減。生産はライプチヒ工場が担当する。

◆BMW ビジョン エフィシエントダイナミクスコンセプト(コンセプトカー)

 動力性能と環境性能を高い次元で両立する2+2クーペのプラグインハイブリッドがこのモデル。エキゾチックなデザインのボディは、全長4600mm、全幅1900mm、全高1239mm。ホイールベースは2855mmと長く、リヤの2つのシートは可倒式となる。ルーフにはポリカーボネート、ボディにはアルミを用いることで車重を1395kgに抑えている。搭載されるパワーユニットは1.5L 直3ディーゼルターボ。さらにフロントとリヤにはモーター、センタートンネル内には容量10.8kWhのリチウムポリマーバッテリーが組み合わされ4輪を駆動する。航続距離は最大700kmを実現し、家庭用電源で充電が可能となる。

◆メルセデス・ベンツ Eクラスエステート(市販モデル)

 セダン、クーペに続くEクラスの新しいバリエーション、エステートがデビューした。全長4895mm、全幅1854mm、全高1471mmとセダンより全長が27mm長いボディを持つ。エクステリアは、リヤに向かってなだらかに落ちるルーフラインなど、先代エステートと比べるとよりスタイリッシュなデザインとされた。ラゲッジルームは最大1950Lを確保。電動で開閉可能なパワーリヤゲートなど、プレミアムワゴンに相応しい機能を標準装備。またラゲッジ側からでもワンタッチでリヤシートを倒せるクイックフォールドシステムも新採用された。リヤにエアサスペンションが与えられるのもセダンとの違いとなる。

◆メルセデス・ベンツ SLS AMG(市販モデル)

 SLRマクラーレンに代わるメルセデスの新たな高性能スーパースポーツがSLS AMG。SLRマクラーレンと決定的に異なるのは、メルセデスAMG社が開発のすべてを主導している点である。往年の名車300SLを彷彿させるスタイリング、とりわけガルウイングドアの採用がこのモデルの大きな特徴。フロントに搭載されるエンジンは「M159」と呼ばれる6.2L V8。すでに存在する「M156」をベースに新開発の吸気システムを採用するなど大幅改良が施されたこのエンジンの最高出力は571ps。オイル循環システムはドライサンプとなる。トランスミッションはデュアルクラッチ式7速MT。2010年春に市場投入される。

インデックス

■ドイツ

■イギリス

■フランス

■イタリア

■その他