日本では中堅の自動車メーカーであるマツダ株式会社の本社は広島県にある。もともと東洋コルク工業株式会社として、1920年に設立されたのがルーツ。のちに東洋工業株式会社に社名を変え、3輪トラックなどを製造していた。本格的に自動車生産に乗り出すのは戦後で、軽自動車のR360クーペは自動車社会発展の黎明期に誕生した名車である。また、ロータリーエンジンを国内で唯一量産化に成功したことも有名で、コスモスポーツはその最初のモデルであった。そんなロータリーエンジンは、マツダのスポーツカーの顔となっていき、その後もサバンナGT、RX-7、RX-8を生み出した。なかでも1978年に誕生したRX-7はカルト的な人気を博したピュアスポーツカーで、2002年の生産終了後も、市場では高値で取引されている。一方1989年に登場したユーノスロードスターは、世界中で大ヒット。手頃な価格と本格的な走りが楽しめるコンパクトスポーツとして、現在でもファンを魅了している。そのほか高性能モデル「マツダスピード」は、かつてアクセラやアテンザに設定され、とくにマツダスピードアクセラはライバルを凌ぐ本格的な走りを備えていたことも特記すべき事項だ。 また、今後はロータリースポーツの復活にも期待が寄せられている。