解説
1967年に登場したコスモスポーツから続くロータリー車の系譜は、1978年登場のRX-7でさらに方向性が明確になり、同社のリアルスポーツカーの象徴的存在となった。そして2003年、RX-7の系譜にある新世代ロータリースポーツ「RX-8」が鮮烈なデビューを果たす。このモデルの最大の見所は、スポーツカーでありながら4ドア・4シーターを実現した点。一見すると2ドアクーペに見えるが、実は観音開き式(フリースタイルドア)のセンターピラーレス・4ドアクーペのボディスタイルを持つ。後席には大人2人が座れるスペースを確保し、前後席ともスムーズな乗降性を実現しているのも大きな特徴で、実質2シーターのRX-7とは対照的に幅広い層のユーザーに歓迎された。
エンジンは新世代ロータリー「RENESIS(レネシス)」が搭載された。これは従来の「13B」をベースに小型軽量化されたもので、今回新たに「サイド排気&サイド吸気」方式を採用したことが技術上の大きな特徴。自然吸気ながらも最高出力250psを発生するハイパワー仕様と、210psを発生する標準仕様の2タイプが用意された。トランスミッションは前者には6速MT、後者には5速MTおよび4速ATが組み合わされている。
グレードはスポーツ向けの「Type S」、豪華仕様の「Type E」、標準車の3タイプ。とくに「Type S」は250psの高出力エンジン、スポーツサス、大径ブレーキディスクが与えられる。2006年の改良ではATが4速から6速になって最高出力が215psに引き上げられた。2008年3月には内外装が一新されると同時に、5速MT車の吸気ポートが4ポートから6速AT車と同じく6ポートに変更され、215psとなった。一方、6速MT車は高回転域での燃料セットが変更され235psにダウンした。またレカロ社製シートを装着する「タイプRS」の追加も特筆すべきところ。その後、2011年と2012年には「Spirit R」の発売を最後に生産が終了され、ロータリースポーツの歴史に終止符が打たれた。
主要諸元 " 2003y MAZDA RX-8 Type S "
寸法・重量 | エンジン・トランスミッション | ||
車格 | ミドルスポーツ | 型式 | 13B-MSP |
乗車定員 | 4名 | 種類 | 直列2ローター |
全長×全幅×全高 | 4435×1770×1340 mm | 気筒内径×行程 | -- mm |
ホイールベース | 2700 mm | 総排気量 | 654×2 cc |
トレッド前/後 | 1500/1505 mm | 圧縮比 | 10.0 |
最低地上高 | 135 mm | 最高出力 | 184kW[250ps]/8500rpm |
重量 | 1310 kg | 最大トルク | 216Nm[22.0kgm]/5500rpm |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン | 燃料タンク容量 | 61 L |
サスペンション後 | マルチリンク | トランスミッション | 6MT |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク | 駆動方式 | FR |
ブレーキ後 | ベンチレーテッドディスク | 動力性能 | |
タイヤ前 | 225/45R18 | 最高速度 | -- km/h |
タイヤ後 | 225/45R18 | 0-100km/h加速 | --秒 |