◆イントロダクション

乗用車ベースのスポーツカー

ホットハッチ(Aセグメント)

ホットハッチ(Bセグメント)

ホットハッチスポーツセダン(Cセグメント)

スポーツセダン(Dセグメント)

スポーツセダン(Eセグメント)

スポーツセダン(Fセグメント)

ミドルスポーツクーペ

スペシャルティ&グランドツーリングカー

スペシャルティカー

グランドツーリングカー

SUV

スポーツカー

軽スポーツカー

コンパクトスポーツカー

ミドルスポーツクーペ

ミドルスポーツカー

プレミアムスポーツカー

スーパースポーツカー

ハイパースポーツカー

※参考資料

メーカー系高性能ブランド一覧

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HIGH PERFORMANCE BRAND

メーカー系高性能ブランド


解説

 スポーツカーを語るうえで欠かせないのが、多くのメーカーが擁する自社の高性能ブランドだろう。そのほとんどが、各メーカーのモータースポーツ部門がバックボーンにあり、彼らが培ってきたレースにおけるノウハウを市販車にフィードバックしている。その最たる例はメルセデスで、たとえばミドルセダンのCクラスをベースに、メルセデスAMG社が開発した高性能エンジンやハードチューンの足まわりを与えた「C63」は、乗用車をベースとしながら第一級の戦闘力を持つ高性能スポーツに様変わりしている。90年代に入ると同様のモデルが、BMWのM社、アウディのクワトロ社などから登場していった。とくにプレミアムブランドにとって高性能ブランドの存在は、イメージ的にも今や不可欠な存在となっており、2000年代に入ってからはキャデラックの「V」、クライスラーの「SRT」など北米メーカー系ブランドも登場している。その一方、日本メーカーにもこのようなモータースポーツ直系ブランドはあるが、乗用車ベースの高性能モデルという意味合いはやや薄く、国内で唯一そう呼べるのがスバル「STI」のみと言ってよい。

◆高性能ブランド一覧
LEXUS
Fトヨタのホームコースである富士スピードウェイの頭文字から取った「F」は、レクサスの高性能車に与えられる称号。限定発売されたスーパースポーツのLFAを頂点に、IS、GS、RCなどをベースに専用のエンジンやシャシーを与えた「F」シリーズを発売。ドイツ勢と比べると歴史は浅いが、レクサスのスポーツ性を痛烈にアピールするイメージリーダーだ。
STI
STI1988年に設立されたスバルの子会社。STIは「Subaru Tecnica International」の略で、スバルのモータースポーツの参画や市販パーツの開発などを行う。なかでもインプレッサをベースとした高性能バージョンはSTIを象徴する代表モデルで、WRC参戦で培った技術をそのままフィードバックしていた。現在も世界で通用する高性能モデルを生み出している。
CADILLAC
Vキャデラックの高性能ブランドとして、04年にCTSに初設定されたのが「V」シリーズ。キャデラックレーシングが培ったモータースポーツの技術を市販車に反映させ、今やドイツ系高性能モデルに並ぶパフォーマンスを誇っている。実際に開発を手がけるのはGMパフォーマンスディビジョンという組織。歴史は浅いが、存在感はドイツ勢にも負けてはいない。
FORD
RSかつて「Team RS」と呼ばれた欧州フォードのモータースポーツ部門は、現在は北米、欧州を統括するグローバル組織「Ford Performance」と呼ばれる。彼らが手がける「RS(Rally Sport)」シリーズは、フォードの高性能モデルに与えられる由緒正しき称号であるが、現在はフォーカスのみの設定。「ST」を超える極めてスパルタンな1台である。
CHRYSLER / DODGE / JEEP
SRT「Street & Racing Technology」の頭文字に由来する「SRT」は、ミシガン州にあるフィアット・クライスラー社の高性能モデル開発部門。2003年に登場した2代目ダッジ バイパーを皮切りに徐々に車種は増え続け、現在はジープブランドにもSRT仕様が存在する。ライバルと比べて高出力を誇るマシンが多く、現代のマッスルカーと呼べる存在である。
OPEL
OPCオペルの高性能車を手がける「Opel Performance Center」は、オペル車をベースとした高性能モデル「OPC」を手がけている。最初のモデルは1999年に登場したアストラ OPCで、以降コルサからインシグニアまで幅広く設定。最大のライバルはVWの「R」で、性能はほぼ同等だ。ヴォクゾールブランドではバッジ違いの「VXR」として販売されている。
VOLKSWAGEN
R02年に登場したゴルフの高性能モデル「R32」が現在の「R」シリーズの原点。当初は独立した組織を持たなかったが、10年に「Volkswagen R GmbH」という完全子会社の新組織が創立され、ゴルフVI以降の「R」モデルを手がけている。Rの意味するものは「Racing」で、「GTI」よりも高次元の動力性能を持つほか、WRCの車両開発なども行っている。
AUDI
RSアウディのスポーツモデル「S」よりもさらに上に位置する「RS(Renn Sport)」は、メルセデスAMGやBMW Mに並ぶ同社の高性能シリーズ。これらを手がけているのはアウディ子会社「quattro GmbH」で、1983年に創業を開始。RS2アバントから始まった一連のRSシリーズに加え、リアルスポーツ「R8」の開発も行うなど、活動は広範囲に及んでいる。
BMW
MBMWのモータースポーツ関連会社が「BMW M GmbH」。設立は1972年(当時の社名はBMWモータースポーツ)と古く、BMWのレース活動を支え続けていた。同社初の市販モデルは高性能スポーツカー「M1」。その後、1985年に「M3」が登場して以降、乗用車をベースとした高性能バージョンを開発する。世界屈指の高性能ブランドのひとつである。
MERCEDES-BENZ
Mercedes-AMG創設者と生誕の地を表す「Aufrecht Melcher Grosaspach」の頭文字を意味するAMG。元々は独立した組織だったが、99年にダイムラー・ベンツ社と合併。05年には完全子会社となってメルセデスAMG社が設立された。メルセデスをベースとした高性能モデルを開発するほか、独自設計のスポーツカーも生み出している。高性能エンジンがAMGの真骨頂。
JAGUAR / LAND ROVER
SVRジャガー・ランドローバーの高性能モデルや特装車の開発を担当するのが「Special Vehicle Operations」。設立は2014年と新しく、まだ歴史は浅い。ジャガーはそれまで「R」モデルが高性能モデルの証だったが、これ以降は「SVR」が最高位に置かれることになった。ますます強力になるメルセデスAMGやBMW Mを追撃するための最終兵器である。
RENAULT
Renaut Sportルノー販売店を経営していたレーシングドライバー、ジャン・レデレ氏が設立したアルピーヌ社が起源。後にルノーに買収され、名称を「ルノー・スポール」に変更して今に至る。本拠地は仏・ディエップ地方にあって、ここが数々の高性能なルノー車の開発・生産拠点となっている。モータースポーツ活動も積極的に行い、その技術を市販車に注いでいる。