スポーツカー文化の発祥の地はヨーロッパ。そんなスポーツカーは戦後になってアメリカへと持ち込まれたが、その大半は高額なものだったので、手に入れられる人は限られていた。そこで生まれたのがスペシャルティカーというジャンルのまったく新しいクルマ。これは乗用車のプラットフォームをベースに、スポーツカーのようなスタイリッシュなボディを与えたクルマである。その最初のモデルが1964年に登場したフォード マスタングである。これは同社のファルコンという小型車がベースとし、スポーティな走りとルックスで大ヒット。一部ではポニーカーとも呼ばれた。その後、1967年にはシボレー カマロという最大のライバルが登場し、以降北米では一大ブームとなっていった。その人気は北米だけに留まらず、日本やヨーロッパにも飛び火。世界で多くのスペシャルティカーが誕生した。しかし、北米と欧州ではボディサイズやエンジン排気量に大きな差があるので、ここでは別ジャンルとして分類した。どちらも90年代には下火になったが00年代には再び隆盛し、新生スペシャルティカーが人気を呼んでいる。各社とも高性能エンジンを積むスポーツモデルが用意され、リアルスポーツカー顔負けの動力性能を誇る。